接ぎ木

-ノイバラの台木に、殖やしたい品種の穂木を接ぐ-

台木は実生の1年生バラの根を使う。
種から育てたものを実生苗という。
実生のものは、直根があり、深く根が張っているので、乾燥に強い。
挿木のものは、直根がなく、浅く根が張っているので、乾燥に弱く突然枯れたりする。
このことから、バラは接木して殖やすのが一般的である。
園芸店では接木のバラが販売されている。
1月に接木し4月販売するものを新苗といい、12月頃から販売するものを大苗という。

‐方法‐
1.穂木の調製
殖やしたい品種の枝を切り穂木とする。新芽が3つ以上あるものをとる。
太い穂木は接木の時しっかりした苗になるが、台木より細いものにする。
貴重なものは短くても細くても良いので大切に接ぐ。

CRG_接木術_160128_0005_W.jpg
(30cmほど伸びた新梢を切り取る)

CRG_接木術_160128_0007_W.jpg
接ぎ木に用いる道具一式

CRG_接木術_160128_0008_W.jpg
左:ノイバラの台木、右:用意した穂木

CRG_接木術_160128_0009_W.jpg
①元から数えて3芽残して切る(穂木)。

CRG_接木術_160128_0012_W.jpg
②穂木の棘を切り取る。

CRG_接木術_160128_0013_W.jpg
CRG_接木術_160128_0014_W.jpg
③3芽の5mm上を、芽と平行に斜めに切る。

CRG_接木術_160128_0016_W.jpg
CRG_接木術_160128_0017_W.jpg
穂木の元を約45度の角度で斜めに切る。

CRG_接木術_160128_0019_W.jpg
CRG_接木術_160128_0021_W.jpg
CRG_接木術_160128_0022_W.jpg
⑤穂木の元を斜めに切った裏を、下から1~1.5cmの位置に小刀を少し切込み真下方向へ削る。
その時、形成層の少し内側になるよう、髄までは届かないようにする。

形成層は細胞分裂が活発な若い組織なので癒合しやすい。
切り口が乾くと癒合しにくくなるので、乾かないよう、穂木を調製したら濡らした清潔な布や紙などに挟んでおく。


2.台木の調製
CRG_接木術_160128_0026_W.jpg
CRG_接木術_160128_0028_W.jpg
①台木には芽がある。芽の下を剪定ばさみで横に切る。芽を残すとそこから台芽が出る。

CRG_接木術_160128_0029_W.jpg
CRG_接木術_160128_0030_W.jpg
根が長過ぎると鉢に入らないので、拳より長い根の部分はまとめて切る。

CRG_接木術_160128_0032_W.jpg
第1刀 小刀で切り口を1~2mm薄く切り、表面を滑らかにする。

CRG_接木術_160128_0033_W.jpg
CRG_接木術_160128_0034_W.jpg
第2刀 形成層がよく見えるように、台木の角を外側から内側に向かい、斜め上に切り上げる。
このとき、台木が曲がっている場合は、横から見て真っ直ぐに見える側を探し第2刀を入れる。

CRG_接木術_160128_0035_W.jpg
このとき、切り上げた部分に黒い輪が見える、それが細胞分裂をする形成層である。

CRG_接木術_160128_0038_W.jpg
CRG_接木術_160128_0039_W.jpg
CRG_接木術_160128_0040_W.jpg
第3刀 形成層のすぐ内側を1~1.5cmくらい下方向へ切り込みを入れる。
この時、手を切らないよう注意する。

3.穂木と台木を接ぐ
CRG_接木術_160128_0042_W.jpg
CRG_接木術_160128_0044_W.jpg
台木の第3刀の切り口に、穂木の調製⑤で切った側を内側にして穂木を下まで差し込む。
台木の形成層と穂木の形成層がくっつくよう、寄せ合わせる。

CRG_接木術_160128_0045_W.jpg
台木の切り口の奥まで穂木を差し込む。

CRG_接木術_160128_0046_W.jpg
CRG_接木術_160128_0049_W.jpg
CRG_接木術_160128_0051_W.jpg
接ぎ木部分に水が入らない様、接木テープで台木と穂木を巻き留め、密閉する。
品種名、日付、氏名を書き、枝に留める。


4.活着を促す
CRG_接木術_160128_0056_W.jpg
CRG_接木術_160128_0057_W.jpg
4号腰高ポットにゴロ土を敷き、赤土を1/3まで入れる。

CRG_接木術_160128_0060_W.jpg
苗木を植える。このとき、接ぎ木部分は土の上に出すように植える。

CRG_接木術_160128_0066_W.jpg
CRG_接木術_160128_0069_W.jpg
針金をドーム状に土にさして苗木を保護し、水をたっぷりあげた後、ビニール袋で覆う。

④遮光した温室に置くと1か月程で芽が伸びる。
穂木から新芽が1cm以上伸びたら成功。
ビニール上部の隅を少し切る。数日後にもう一箇所の隅を切る。
ビニールを切る時期が早すぎると、活着が不十分で新芽が枯れることがあるので注意する。

3~4cmに伸びたらビニール袋の縛りを解き、下からも空気が入るようにする。
だいぶ大きくなったらビニールを外す。
ボトリチス病菌のカビなどに汚染されたら、殺菌剤を散布する。

5.植え付け

<鉢植えの場合>
5月~6月頃に、6号鉢に植え替え、IB化成などを少量施肥する。

<庭植えの場合>
4月中旬~5月下旬頃までに庭に植え付ける(新苗の植え付け)。
失敗しないのは、鉢植えにした大苗をその年の12月~翌年2月までの寒い時期に庭に植え付けるとよい(大苗の植え付け)。






(2015.12.5 の授業にて)